アルバトロス配給のヒューマンドラマにハズレ無し
今回は製作国ベルギーの低予算映画『エンジェル、見えない恋人』(原題:Mon Ange)です。
生まれた時から透明人間の少年と盲目の少女の成長と恋愛の映画です。
今回は3つの見所で紹介します。
1. 予算が無い!
メイキングでも言及されていますが予算が無い!!
だから、舞台となる場所は少ない!
だから、CGも極力使っていない!
だから、スタッフがちょい役で出ている!(お約束)
注目するのは特撮技術
劇中の主人公の動きをリアルにするために、
極力CGを使わずに部屋に張り巡らした糸で様々な演技をしている。
確か布を固めると本当に人が居るようになる芸術作品もある様に、
今回はそれに似た方法を使っているのかもしれない・・・
アイディアが凄い!!
2. 少女の成長と少年の心の変化
主人公は透明人間だから見えず、
母親もあまり変化が無いから主人公の年齢が分からない。
そこでヒロインが幼少期→成長期→成人と2段階成長することで月日の移り変わりを見せている。
途中ヒロインのマドレーヌは手術によって視覚を得ることになるが、
少年にとってはそれが自身の疎外感へ繋がっていく・・・
「実は自分が透明人間だ」と言うのは劇中でもかなり後の方、
自分が拒絶されないかという不安との葛藤が一人称視点で描かれている。
3. 見えないからこそ映える演技
普通だったら主人公の代わりに誰かを立たせて撮影する。
本作は主人公の視点は観客と同じ視点で見せているため、
演じている女性の前にはカメラしかいない
そもそも主人公は声は有れどメイキングにすら登場しない
つまり赤ちゃんのシーン
CGで赤ん坊の人形を消すことはできるけれど、
母親でも見えない事を表現するためにパントマイムのような演技をしてもらっている。
何もないところで何かいるように演技をする。
それを感じさせないのがこの作品の一番の見どころかもしれません
まとめ
母親の不安、少女の不安、少年の不安
お互い助け合って解消していく心温まる映画です。
でも中盤以降はトップレスのシーンが多いので注意が必要です。(PG12指定)
今回は題名に惹かれて観ました。
『Mon Ange』は直訳すると「私の天使」
これだと「母親と少女からの視点で主人公を見ている」が、
『エンジェル、見えない恋人』にすることで
「母親は旦那と子供、少女は少年、少年は少女をそれぞれ見ている」感じになる。
これがアルバトロス配給のヒューマンドラマで侮れないところ!
ラベル:映画