今話題の戦車も出てて大戦中の多国籍入り混じった内容という事で
『鬼戦車 T-34』
プロパガンダ映画ですけどね・・・
主人公の破天荒な機転、なし崩し的に仲間になる人々との関係
ラストの道を直進する戦車と見どころが良いし
なによりカメラのアングルが当時の映画としては独創的
さて、今回紹介する映画は時代的にこれよりちょっと前のお話
『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』
フィンランドとソ連間で起こった戦争、継続戦争をモチーフにした映画です。
さてここでなぜ最初に『鬼戦車 T-34』の話をしたかと言うと、
戦車好きならばT-34シリーズが当時最新鋭の兵器だったか分かると思います。
この映画では一部の戦車好きならば聞いたことがある継続戦争の話です。
誠に残念なことに歩兵で対戦車戦を強いられる兵士たち
その悲壮感、戦争に勝てない絶望感・・・しかし、一抹の希望を捨ててはいない
「命がある限り何とかなる、だから誰も死なせない」
そんな声が聞こえてくるような内容です。
でも、
気が付くと仲間が死ぬ!
唐突にメインっぽい人も死ぬ!
上官も死ぬ!
とにかくみんな死ぬ!
当時の某偉い人の言葉でありますが、
「現代の戦争に英雄なんていない」
その言葉がこの映画の題名とリンクしているようにも思えます。
ストーリーはこの辺で終わりにして、
注目するべきところは演出面です。
アンノウン・ソルジャーという題名には2つの意味が掛けていると私は予想します。
1つはサブタイトルのように「 英雄なき戦場 = 名もなき兵士 」
2つ目の意味は、直訳して「 分からない兵士 = ソビエト兵 」
そのくらい攻めてくるソビエト兵の描写は極端に少ないです。
確実に飛んでくる銃弾
押し込まれていく自軍陣地
軽快に走って来るT-34
近くにいる敵が全く姿が見えない恐怖
これが上手く作られていると感じました。
特に川を渡るシーンで銃弾が水しぶきを上げ、木を抉り、身体を貫くのに、
ソビエト兵の姿が全く見えない緊迫感は中々できるものではないと感じました。
塹壕でノイローゼになる兵士・・・彼に感情移入できるとても地味な映画になっています。
ラベル:映画