2017年03月23日

怪獣映画を見よう! - クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦 -

シン・ゴジラのブルーレイ&DVDが発売されました。
そんな中、シン・ゴジラを見る前に見てほしい怪獣映画作品があります。
今回は国民的アニメと言われている
劇場版 「クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦」です。

アニメなのに怪獣映画?と思いだろうが、
意外とこれが怪獣映画風に作られているのですよ!



 
さて、この作品を語る上で必要な知識としては
監督が歴代劇場版クレヨンしんちゃんに携わっている原恵一さん
オトナ帝国やアッパレ戦国と有名なクレしん作品の人です。
しかしここで
演出と絵コンテに水島努さん
音楽に浜口史郎さん(もう一人は荒川敏行さん)
この二人の名前を聞いてピンと来た人はいると思います。
そうです「ガールズ&パンツァー」ですね!

音楽について
浜口さんの劇場版クレヨンしんちゃんの音楽は有名なシーンで使われていて
オトナ帝国では 「ひろしの回想」 「21世紀を取り戻せ」
アッパレ戦国では 「馬廻衆・真柄太郎左衛門」 との一騎打ちや「金打の馬手差し」を渡すシーン
栄光のヤキニクロードでは「堂ヶ島少佐出撃」シーン
ちなみに今回紹介する温泉わくわく大決戦では巨大ロボットの音楽全般です。

巨大ロボットの音楽は東宝特撮映画を意識しているというより、
伊福部昭を意識しているのか端的に言えばかなりゴジラっぽい
本編中でも「ゴジラ」「怪獣大戦争」が使われています。

PDVD_185.JPG
参考画像:スタッフロール
おそらくそのシーンは音源を当時のものを使っているので
音をアニメで表現するために敢えて劇中音楽を流すスピーカーを若干チープに描いていると思われます。

PDVD_173.JPG
参考:怪獣大戦争のシーン
先頭の82式指揮通信車についているスピーカー

PDVD_178.JPG
参考:ゴジラのシーン
巨大ロボットの頭についているスピーカー


映画本編について
巨大怪獣もののお約束をいくつも入れています。
まず冒頭の露天風呂のシーン

PDVD_155.JPG

画像だとわかりづらいですが、断続的な地響きと共に揺れる湯船
映画「ジュラシックパーク」でも似たようなシーンがあります。
そしてそのあと登場する巨大ロボットの影

PDVD_156.JPG

「何だこのロボットは!?」と観客に思わせておいて
次に登場するのは実は40分以上後
これはゴジラ作品でもよくあるパターンですが、
最初に怪獣登場→人間ドラマパート→怪獣再登場→クライマックスの怪獣映画の王道に沿っているのです。
シン・ゴジラもゴジラ登場(蒲田)→ドラマパート→ゴジラ再上陸→内閣総辞職ビーム→ヤシオリ作戦と怪獣映画の王道パターンでした。

怪獣の登場の仕方にもこだわりがあります。
ゴジラやガメラでも最初に怪獣が登場するシーンをどう見せるのかが肝で
私の好きな「モスラ対ゴジラ」ではゴジラの尻尾が地中から地表に伸びて登場
「ガメラ2 レギオン襲来」では海中から陸地がせり上がるようにガメラが飛び出す
等々色々ありますが、
今作の巨大ロボットの登場の仕方は

PDVD_159.JPG

山の崖を中から突き破って登場
まず、これは怪獣じゃありません(ロボット怪獣みたいなものですが)
そしてYUZAMEのロボット格納庫は普通にあります。(見た目がどこか昭和メカゴジラっぽい)
なのにロボットの出入り口はありません!
巨大ロボットアニメというよりは怪獣的なものに印象付ける演出ですね。

秩父市街地にロボットが移動を始めたシーンも怪獣的な演出があります。

PDVD_160.JPG

飼い犬が異変に気付いて遠くの巨大ロボットに威嚇していたり

PDVD_161.JPG

朝焼けの中、カラスが一斉に飛び立ったりと怪獣映画で見たようなシーンが続きます。
ちなみに巨大ロボットのシーンではこのアングルから見上げた絵面がかなり多用されます。
これは着ぐるみ系の怪獣映画だといろいろと難しいのですが、アニメだとこれができる!!
ちなみにシン・ゴジラもCGのおかげでゴジラの下からのアングルが多用されてます。

PDVD_163.JPGPDVD_165.JPG

橋を壊し、街を壊しながら進行する様は巨大ロボットではなく、
まさに怪獣そのもの

そして半信半疑のニュースキャスター

PDVD_164.JPG

これはもう平成ガメラを意識したような演出です。

PDVD_166.JPGPDVD_167.JPG

そして怪獣映画のお約束
遠くから怪獣を眺める住民たち
カメラを持っているあたりがポイント!

PDVD_168.JPG

そして臨時番組に切り替わり怪獣の予測進行経路と非難区域の字幕
実はこの演出ってこの映画の時期(1999年)近辺ではあまり見られないです。
一応、ガメラ2が近いですが予測進路はあくまで自衛隊側の見方であり、
住民側に立った予測進路というのはまず無いです。

PDVD_179.JPG

これはあくまで ”クレヨンしんちゃん” なので、一般市民のアングルを重視した演出でしょう。
ちなみに、ギリギリまでアニメ(ぶりぶりざえもんの冒険)を放送していたテレビ局がありますが
たぶん、あの局は『テレビ東京』でしょう。

PDVD_170.JPG

(なお、シン・ゴジラでも似たようなシーンがあります。)

住民が逃げるシーンでも面白い部分があり

PDVD_180.JPG

住民が逃げる方向が怪獣の進行方向と逆向き
しかし、この避難方向は間違っていない!!
冷静に考えれば怪獣と同じ方向に逃げるシーンは怪獣映画で絵が映えるのだが
怪獣と同じ進行方向へ逃げてもいつかは追い付かれるはずであり、
それなら怪獣が通った跡地に逃げたほうが生存率は高いと一度は考えたでしょう。
しかし、怪獣映画では怪獣の進行方向の逆に逃げるのは演出上の問題からあまり描かれなかったのだが、
誰もが抱いた疑問に対する答えをまさかのクレヨンしんちゃんが描いているのです。
(なお、このシーンで自衛隊は怪獣に攻撃しています。 シン・ゴジラだと・・・)

怪獣への対抗手段も自衛隊を意識している部分があり

PDVD_174.JPG
90式戦車

PDVD_175.JPG
74式戦車

と、クレしん風にデフォルメはされていますが、大体合ってるのが面白い
砲撃の爆煙とか「のちのガルパンである」という人もいるかもしれない

PDVD_187.JPG

だけど私個人としては
シン・ゴジラでも同じことをやった戦車隊の陣形

PDVD_186.JPG

そして戦闘シーンがカットされた空自F-15J戦闘機
(平成ガメラで空自がやられるのはNGと言われたことへのオマージュかも?)

忘れちゃいそうですが
これ、クレヨンしんちゃんですよ?
切り取ってみると意外にも ”怪獣映画” していると思いませんでしょうか?

シン・ゴジラの話題の中、平和な怪獣映画という位置付けで今一度
『クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦』

よろしくお願いします。
タグ:映画
posted by MaRio at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/448281337
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック