2017年01月20日

マイナー映画を観よう_『おみおくりの作法』

ある一部のファンから英語版「おくりびと」とも呼び声が高い
ウベルト・パゾリーニ監督の『おみおくりの作法』(英題:STILL LIFE)


孤独死を担当している民生係のジョン・メイ
事務的に進める事も出来る仕事であるにも関わらず、亡くなった人に対し誠意を込めて弔っていたが、
市の人員整理により解雇となってしまう・・・
最後の案件・・・それは自分の向かいに住んでいた一人の男だった・・・



さて、この主人公の男であるジョン・メイ
誠意を込めた葬儀を孤独死に対し行う
それにより遺体安置所から「今度は相部屋にしないと」と冗談を言われる始末
上司からは解雇を突きつけられ
誠意ある対応をしているのに誰からも評価されない・・・

また、とても几帳面で机の上には無駄なものが一切なく
文房具の位置も細かく決めている
私生活でも食器の色や位置、食事内容も決まっている
こう書くと『評価はされないが実は優秀な人物』っぽいが・・・

服装は仕事柄年中喪服のような黒を基調とした恰好
道路を渡るときも左右の確認は怠らない
自分の部屋の色はほぼ白で他の色がない

そんな彼が最後の担当の孤独死のビリー・ストークの破天荒な人生を紐解いていく中
人生に新たな魅力を感じ始めていく・・・
静かな映画だけれどほっこりするシーンが魅力の映画です。

おすすめポイント_その1
周囲の色がジョン・メイの心の変化を表している

まず最初のジョンの家

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ほとんどが白と黒のモノトーンで無駄が少ない風景から始まり

ビリーのことを調べるための旅が始まると

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少しずつ色のついたところが増えていく
だけどまだどこか冷たい雰囲気

そして探していたビリーの部屋のアルバムの女性の家に着いた時

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どこか温かみのある色合いになり、おそらくここでジョンは安堵した。
と深読みしてみたり・・・


おすすめポイント_その2
民生係ジョンの心境の変化が魅力的
最初の食事のシーンは

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缶詰は逆さに出しただけ
食器も絵皿ではないしどこかシンプルすぎる
飲み物は紅茶しか飲まない
真面目なんだけど正直つまらない人生を送っている感じなのが

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ホットチョコを飲んでみたり

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貰った魚を焼いてみたり(失敗)
など少しずつ変化していく・・・
そして、ある老人ホームでビリーの軍時代の同僚だった人から振舞われた料理を見て

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戸惑う
ここら辺がこの数日でビリーを追いかけた結果、ジョンの心の変化なんだろうなとしみじみ思う

私個人としてはこのシーンが一番好きです。

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おそらく初めてアルコールを飲むシーン
隣にいるのはビリーのことを知るホームレス

以上の心境の変化から、

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ビリーの葬儀を娘さんに説明するときには
服の色合いも変わり、食器も絵付きのものを買ったり
話だって喫茶店でやったり等人生の輝きを発見していくジョン

そしてラストはビリーの葬儀のシーンなのですが・・・
文字通り”思いがけない感動”が待っているのでそれは見てからのお楽しみ
若干のネタバレを含むなら↓を反転で
最後はビリーの葬儀にビリーの友人や家族、同僚がみんな勢ぞろいする、
しかし、”孤独死” を担当するジョンは離れた位置からその姿を見守る。


様々な「ありがとう」が詰まった作品
一番最後の感謝の意が「ジョンがこれまでやっていたことは、決して無意味ではなかった!」と再認識するとともに
涙が零れるくらい素晴らしいエンディングでした。

ちなみにカメラのアングルがどのシーンでも素晴らしいです。
タグ:映画
posted by MaRio at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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